ぴえろのオススメ

――ネット小説――

ここは自分が読んで「これは!」と思った小説を紹介するページです。

対象は一次、二次を問いません。(※ただし二次に関しては既知の作品のみ上げる)

遠慮なし、妥協なし、許可なしの評価を旨とします。

原則として、親しい方の紹介はしません。(温情をかけそうなので)

気をつけてはいるものの、誤った表記をしている可能性を含みます。

万が一、先方から拒否の連絡があれば、速やかにその作品の項は撤廃されます。

またリンクが途切れていても、修復する意思は薄弱です。放置する可能性があります。

無論のこと、感想の下手さに関しては既に自覚があるので、文句は受け付けません。

また感性の差異によって、貴方にとっては然程面白くないかもしれません。

要するに、このページは管理人が自己満足で勝手に紹介しているだけということです。

ただこのページで、貴方にとっての名作が発見されれば幸いです。




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Kanon
AIR
Fate/stay night
機動戦艦ナデシコ
新世紀エヴァンゲリオン
その他の二次
オリジナル
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Kanon

タイトル
Y'sromancersワイズロマンサー
作者
槙弘樹(旧:広木真紀)
在り処
once in a BLUEMOON
長さ(推定)
長編(400字原稿用紙換算、合計100枚以上)
ジャンル
ハードボイルド(?)
内容概要

勝手な感想
 KanonSSと銘打ってますが、実際は全く別モノ。Kanonらしさを求めて読むと肩透かしを食らうと思いますが、単純に面白い小説が読みたいならオススメできる、そんなSS。第一シリーズ『Dの微熱』、第二シリーズ『垂直落下式妹』、第三シリーズ『ワイズロマンサー』、第四シリーズ『白鳥沢爛子先生』、ラストシリーズ『君、微笑んだ夜』と五部に分かれているが、第四&第五はほとんど外伝的な扱いで、実質上は第三シリーズ『ワイズロマンサー』で完結していると思われます。
 第一、第二はミステリー色が強く、第三になると能力者バトルモノへと変移します。ジャンルがハードボイルド(?)なのもそのせい。分類し難い。非常に高い文章力(前半はまだ未熟さが垣間見えるが後半は完全になくなる)、伏線の引き方、資料によるリアリティなど非の打ちどころのない作品ですが、問題としては長過ぎるので何度も見返す気にはなれないという所でしょうか。
 個人的に評価が高い理由は、第三部にて『男としての生き様』が描かれているから。ここが恐ろしくカッコイイ。何かしらFateやスクライドのカッコよさに通ずる点がある。(実際、作者さんはスクライドを知ってると思しきオマージュ描写がある)しかし、残念なことに作者さんは昔の作品を一部公開されない癖があり、この作品も凍結されてます。メール送れば下さると思いますが、面倒な方は公開される時期を待つしかないかと。

タイトル
胸に咲くなずな
作者
槙弘樹(旧:広木真紀)
在り処
once in a BLUEMOON → Novelize → 胸に咲く薺は
長さ(推定)
長編(400字原稿用紙換算、合計100枚以上)
ジャンル
ハードボイルド(?)
内容概要

勝手な感想
 続いて、同じく槙弘樹(旧:広木真紀)さんですが、やっぱり凄いなこの人は……。内容は、原作の<川澄シナリオ>から10年後、社会人(27、8歳)となって久しい主人公たちを描いた物語。大学卒業後、三人は<KKAリサーチ>という信用調査会社(要は探偵事務所のようなもの)を立ち上げる。オーナーは佐祐理で、その共同経営者として祐一と舞が登録されている。信用調査会社の調査員として働く最中、舞から言葉少なげに一言、告げられる。
「久瀬の娘が亡くなった」
 そして、佐祐理を通じて舞い込む久瀬からの依頼。娘の死を警察とは別に再調査し、真相を突き止めてほしいと彼は言った。そこに待ち受ける真実とは……。

 まさか、Kanonでミステリーが読めるとはねぇ。やっぱり槙さんはやることが違う。しかし、かなり過酷なアフターSSです……。作中の祐一は虚無感を持ってるんですが、それも頷ける。それを何とかしようとする舞の健気さの愛いことw ……まぁ、メインテーマじゃないから深くつっこまれないのが残念だけど。(´・ω・`)
 KanonSSを見ているとカッコいい久瀬が登場する作品はいくつかありますが、この久瀬は極めつけにカッコいい。原作じゃ舞に対して冷徹な彼も、十年して、家庭を持ったら変わるもんだなぁ……。ミステリーに詳しくないから槙さんの技術はどうかは分かりませんが、まぁ、おまけみたいなモンだから気にしない。三十路前とは思えぬ舞の可愛さと久瀬のカッコよさに惚れればいいと思うよ。
 18禁のマークで相当エロスなシーンやグロ描写とかも覚悟してたけど、そんなたぁなかった。普通のKanonSSだった。そこの所、期待して読むと損すると思う。「イヤッホーゥ! 大人な祐一と大人な舞のぇちシーンktkr!(*´д`*)ハァハァ」と高ぶっていた自分の心は何処へ行けばいいんだろう……。

タイトル
魔法戦国群星伝
作者
八岐
在り処
EVERGREEN STUDIO(投稿Gallary → 八岐)
長さ(推定)
長編(400字原稿用紙換算、合計100枚以上)
ジャンル
クロスオーバーファンタジー
内容概要

勝手な感想
 クロスオーバーはONE、Kanon、Leaf(痕、Toheart)、全99話外伝7話と膨大な量の、しかもクロスオーバーファンタジーを完結させただけでも賞賛に値するかと。自分はこれ以外にクロスオーバーファンタジーで完結した作品を知りません。
 内容も最初こそ、文章のつたなさがあるものの、やはり、後半になるとそれはなくなっております。各作品に精通した上での包括的な設定、展開、ラストへの盛り上がり等は、下手なライノベ作家より上じゃないかと。特に見てて感じたのですが、全体的にキャラの魅力が高水準にも関わらず、それでも北川が突出している点。作者さんは本当に北川が大好きなんだなぁと誰しもが思うはずです。この作品の北川よりカッコイイ北川は見たことない。むしろ、祐一よりも主人公してます。(外伝は北川の物語だし)。
 無論、いわゆる厨二と呼ばれる痛さが若干伴いますが、ファンタジーではよくあることであり、それほど前面に押し出されていないので許容範囲かと。しかし、若干ネタばれとなりますが、戦争モノでありながら、誰一人キャラが死なないという点を是とするか否とするかは、読む人次第。お気に入りキャラが死なないのは良しとしても、同時に戦争のリアリティがこれによって低下している。個人的には実力が拮抗して、お互い殺し切れない印象が強かったので、全く気になりませんでしたが、中には「どうせ死なないんだろ?」と白けてしまう方は少なからずいるでしょう。

AIR

タイトル
母のあゆみ
作者
???
在り処
AIR SS Concour → No.004 母のあゆみ
長さ(推定)
短編、400字原稿用紙28枚
ジャンル
シリアス
内容概要

勝手な感想
 2007/4/20〜4/29にて開催された『AIR SS こんくーる』出展作(第二位)です。一位があるわけですが、正直自分はこちらの方が好きです。確かに一位の作品の方が物語としての完成度は高いんでしょうけど、こちらの方が断然優しく、心温まるssなので。原作のこと考えると、こんな母子の小エピソードは本当にありそうな感じだった。うーん、短編だからあんまり言うとネタバレになるのでこの辺で。  

Fate/stay night

タイトル
Turning Fate/The end for beginning
作者
忌呪
在り処
黒色彗星帝国 → 二次創作小説置き場
長さ(推定)
長編(400字原稿用紙換算、合計100枚以上)
ジャンル
シリアス
内容概要

勝手な感想
 端的に言えば、セイバーEND後の桜シナリオと言えばいいのか。セイバーENDって、よく考えればあの妖怪爺さんが残ってるわけで、あいつとの対立は必然なんですよね。なもんで、凜、イリヤ、士郎の三人で何とかするというお話。乱暴に言えば、つまりはそういうことです。しかし、セイバーENDの後なので、桜は完全に空気です。しょうがないけど、何か残念。(´・ω・`)
 個人的に高評価なのは、"セイバー去りし後ながら全くのセイバーSS"であること。あまりにも一途な士郎の姿が良い。ああ、それでこそ士郎だぜ……。
 長編という割には10話と短く読み終え易いのと、奈須きのこ氏のある種のナルシスト的な文章が再現されているのが売りじゃないかと。ラストの戦闘描写は奈須氏自身が書いてるんじゃないかという気さえしてくる程、再現度が高い。(青臭くない厨二といえばいいんでしょうか?)ああそうだ。この熱い戦いこそ、奈須氏の戦闘描写だよ!みたいな。多分、作者さんはこの戦闘が書きたくて長編を書いたに違いない。  

タイトル
Fate/everlasting dream
作者
ゆーえむ
在り処
雑楽部屋 → 創作物
長さ(推定)
長編(400字原稿用紙換算、合計100枚以上)
ジャンル
シリアス
内容概要

勝手な感想
 本編UWB後の物語で主人公は慎二。この時点で読む価値があると思います。稀有にも程があるw しかも、士郎、凛、セイバーが出てこないとかどうなるか全く予想できないにも程があるぜ…。こういう原作で報われなかったキャラの救済ssが好きです、自分。何か聖杯戦争後、慎二が急にイイ奴になるssとかありますが、全くそんなことはないです。卑劣漢でヘタレですが…こいつが話数を経て、徐々に変わってくる。その過程が良かった。桜への態度も段々ひねくれながらも心配してる一人の兄のものに変わっていくのも素晴らしい。
 この第六回聖杯戦争では、オリジナルのサーヴァントがわんさか出てきますが、どれもよく考えられてる。慎二のサーヴァントはランサーになるのですが、宝具出すまで正体分からなかった。知ってる英雄だっただけにちょっと悔しかったです。
 ただこの作品、月姫から二名ほどやって来るんですよね。その辺受け入れられるかが問題。自分としてはちゃんとした理由があったから、気になりませんでしたが。後、その二名が強過ぎw  敵味方のパワーバランスの調整に苦労しただろうなぁ。  

タイトル
誇りのために
作者
カラテマ
在り処
Global My Document → 投稿作品TOP → カラテマ
長さ(推定)
長編(400字原稿用紙換算、合計100枚以上)
ジャンル
シリアス
内容概要

勝手な感想
 本編UWB後、凛の魔力だけではセイバーの現界に無理が生じてきたので、召喚術に詳しい魔術師マティウスの助言を求めて、三人はチェコを訪ねる。が、そこで思わぬアクシデントに遭遇する。――トゥーレ協会。かつて、≪ナチス≫ヒトラーを支援し続けた魔術師の集団。英霊の軍事利用を画策し、異例だらけの第三次聖杯戦争にて、僧侶プリーストと云う謎の英霊を捕獲し、そして、此度はセイバーを捕獲しようとマティウスとの会合場所に姿を現すのだった。
 うーん、やっぱり粗筋だけでも面白そうに見えてくる。他のFateSSと違って、作者さんのオリジナリティ性が半端じゃない。これぞ、自由派の二次創作といった感じ。誰でも「ぼくが考えた最強サーヴァント」みたいなことは頭に浮かべたことはあるでしょうけど、それを基軸に物語を創作するのは並大抵の苦労じゃない。ちゃんと、この僧侶プリーストの生い立ちも下調べできてるし、宝具も強過ぎず弱過ぎず、且つ、この英霊の象徴とも言えるものになっている。Fateという原作の延長線上にオリジナルキャラを出して成功した稀有な作品だと思う。
 P.S. 個人的な雑感であるけど、上記の『Fate/everlasting dream』で慎二たちが死闘を繰り広げてる間、士郎たちは士郎たちで死闘の最中だったみたいに考えると何やら感慨深い。同じく本編UWB後の物語なのだし。  

機動戦艦ナデシコ

タイトル
時の流れに
作者
Ben
在り処
Action
長さ(推定)
長編(400字原稿用紙換算、合計100枚以上)
ジャンル
過去逆行SS、シリアス、ギャグ
内容概要

勝手な感想
 懐かしい…。自分が最初に読んだナデシコSSで、これを機に読み専でナデシコSS読むようになったんですよね。今見てみると、そんなに文章力はそんなにないんですが、オリジナリティはあるよなぁ。今読んでみると、スーパーロボット大戦かよwとか、アキトが強過ぎて吹いたwみたいなことになるけど、ナデシコのハーレム系でこれだけ明るく、またシリアスになって完結したSSって、他になかった気がする。これもまた文章力ではなく、牽引力で魅せるSSの類だと思う。DFS(ディストーション・フィールド・ソード)というオリジナルの武器を出した辺りから、アキトの俺強ぇww伝説が始まったように思う。主人公最強系ですが、ドラゴンボールの如く相応しい強敵が出てくるのでバランスは取れてるのが成功の秘訣だったかなと。
 でも、第一部で終わってた方が良かった気がする。一部の印象強さに比べたら二部はあんまり印象無いし、三部は再開の見込みのない更新停止状態だしね。なので、一部のみ推奨。何やら、一部以降はラオウが逝去した後の北斗の拳みたいに見える。こう……麺のないラーメンみたいな。スープ美味しいけど、何かこれラーメンじゃなくね?(´・ω・`;)みたいな。

タイトル
ANOTHER CHRONICLEアナザ・クロニクル
作者
あさひ
在り処
シルフェニア(頂き物小説 → あさひさんのお部屋)
長さ(推定)
※未完 長編(400字原稿用紙換算、合計100枚以上)
ジャンル
過去逆行SS、シリアス
内容概要

勝手な感想
 機動戦艦ナデシコはボソンジャンプを巡る物語です。ボソンジャンプとは、瞬間移動に見える時間移動(つまりは移動にかかる時間がキングクリムゾン!という異星人が残したオーバーテクノロジー)なわけですが、ナデシコssではこれが要因となって、誰かしら(主人公アキトとは限らない)が時間逆行して原作を改変するモノが非常に多い。劇場版のアキトがあまり幸福とは言い難いせいでしょう。このアナザ・クロニクルもそんな中の一つなわけですが、自分が見てきた中で最も面白い作品です。(未完なので現在進行形)
 劇場版、つまりは最終的に、主人公テンカワ・アキトは五感全てを消失し、料理人になるという夢を奪われ、復讐者になるというテレビ版のテンカワ・アキトとはまるで違う衝撃的な姿に成り果ててしまうわけですが、逆行ssではそれが"ゼロ"にされてしまうことがよくある。その手法は"過去のアキトの中に未来のアキトが入り、支配する"というものが多い。下手をすれば、その過程も省略され、"気がついたら未来の俺になっていた"ということもある。無論、過去のアキトなわけですから、五感の消失もない。その辺が色々納得できなかった自分は、この作品に出会った時、正直「キタ━━━━(゜∀゜)━━━━ッ!!」とさえ思った。過去へ行った時、テレビ版のアキトの最初のシーンであるサセボじゃなく、火星で木蓮トカゲと遭遇した所から始まる時点で、他のssとは一線を介してる。
 この作品では、未来のアキトそのままが過去へ逆行します。未来で夢を諦めたアキトと過去まだ夢を追っていたアキトが"現在"で同居しているという状況です。(fateのアーチャーと衛宮シロウが同時に存在しているのと同様の状況だと思ってもらえれば良い)未来のアキトは"黒百合"と名乗り、未来を改変するために動きますが、過去の自分やナデシコクルーにそれほどダイナミックに干渉しません。また、原作をなぞる展開はどうしてもありますが、オリジナル展開が多いため、"焼き回し感"も少ない。原作では一話オンリーのチョイ役だった"イツキ・カザマ"が初期からナデシコに加わっていたりするのもいい。うん、この娘がやたら自分のツボに入ってるというのもある。何だこの純情娘。イツキ可愛いよイツキ。(*´д`*)ハァハァ 原作ではガキっぽ過ぎるので、恋愛対象として見られてなかったのに、ミナトからも密かに好意寄せられてる辺り、黒百合はやっぱりアキトだと思った。
 テレビ版のヘタレ熱血漢なアキトではなく、劇場版の孤高な黒アキトがよく再現されている。未熟だった頃のように青臭くなく、酸いも甘いも知って円熟して、自分の寿命も短いと受け入れ、料理人の夢が追える過去の自分に嫉妬することもなく、憎悪が燻っていても、それでも、他人を思い遣る優しさも残っている。"大人"になったアキトが原作に逆行したら本当にこうだと思う。

「……アキト、ジッカってナニ?」
「実家というのは、その人の生まれた場所……故郷の事だ」
「フルサト?」
「そうだ。それに、その人の帰る場所でもある。待っている人がいるのなら、な」
「ワタシのフルサトはドコにあるの?」
「ラピスの故郷は、今はまだ無い。だがそれは、ラピスがまだ故郷となる場所を見つけていないからだ」
「見つける? フルサトはアトから見つけるものなの?」
「そうだ。ラピスが帰りたいと思う場所。そう願う場所が、ラピスにとっての故郷になる。ラピスはまだ其処を見つけていない……それだけの事だ」
「アキトのフルサトはドコにあるの?」
「俺の故郷は、もう何処にも存在しない。ラピスと同じさ。俺もまた、故郷を捜しているんだ」
「……ソウ。なら、ワタシもアキトのフルサトを一緒に捜す。ワタシも、アキトと同じフルサトがいい」
「そうか。そうだといいな……」
(だが、それは無理なんだよ、ラピス……)

 同じく逆行したラピスとの会話(セリフのみ抜粋)ですが、ここ好きだー。こういう黒アキトの姿勢が崩れないから良い。ただちょい難を言えば、オリキャラもそこそこ出てくるので、そこが受け入れられるかは分かりません。
 未完の作品は基本、紹介しないスタンスなんですがどうしても紹介したかったんです。ああ、ホント完結しないかなぁ……。

タイトル
ベスト・パートナー
作者
金丸健二
在り処
薔薇はあこがれ
長さ(推定)
長編(400字原稿用紙換算、合計100枚以上)
ジャンル
シリアス、ラブ
内容概要

勝手な感想
 誰かオリキャラが登場するわけでもなく、未来から誰か来るわけでもありません。登場人物は原作の範囲内ですが、決定的に違う所はナデシコが出航しようとした所で撃沈される点と一貫してルリの視点で話が進む点。主人公はルリなので、入院シーンから始まります。撃沈時のトラウマから、テレビ版よりさらに厭世家になり、人との触れ合いを無価値だと思うルリがアキト(原作とはちょっと違うけどあり得る設定)にだけは深層レベルで心を開いており、しかし、それを認めずにツンツンしながらもやっぱり惚れていて、徐々に女の子らしくなっていく。これはそういうお話。
 原作での展開は別のナデシコ級の戦艦が行うので、火星に行くこともなく、木蓮との和平に四苦八苦することもありません。ただただ、地球の優秀な掃除屋(傭兵部隊)という戦略的には全然大したポジションじゃないまま、ひたすらアキトとルリのぐだぐだまたーりな恋模様が展開されます。完全にこの一点に絞ってるんで、よくある原作を追うようなナデシコssを見飽きた人向けな……『戦争? んなモンどーだっていいんだよ。恋に悩むルリを出せ。話はそれからだ!』という人のための作品。ただ恋愛一本に絞った割には、ちょっと助長気味に長いかなとも思いますけどね。

新世紀エヴァンゲリオン

タイトル
2nd RING
作者
NAC
在り処
NACBOX GARACTERS → NOVEL
長さ(推定)
※未完 長編(400字原稿用紙換算、合計100枚以上)
ジャンル
逆行原作改編ss、シリアス、ラブ
内容概要

勝手な感想
  全員幸せになって欲しい人推奨なエヴァSS。読んだ頃が中学生だったような気がするので、実際にはもうおぼろげにしか覚えてないです。(ぇ 今見てみると文章力はそんなに高くないのですが、「優しいSSだな……」という印象は変わりませんね。読んでいる自分自身の感性の変化からか、今見てみると「甘っちょろくね?」と思わないでもないw あぁ、後、変わらないものが一つだけあった。LRS(ラブラブレイxシンジ)は自分のジャスティス!( `・ω・´)キリッ 多分、このSSから自分のLRS主義が始まったのだと思う。だって、レイが可愛いんだもの。(*´д`*)ハァハァ しかし、唯一の欠点は未完であるということか……lllorzlll 現在の更新中なので、完結の予感がするだけまだ救いがありますがw 気長に待ちましょう!

タイトル
少年兵シンジ
作者
有田屋
在り処
有田屋
長さ(推定)
長編(400字原稿用紙換算、合計100枚以上)
ジャンル
原作改変ss、シリアス
内容概要

勝手な感想
 シンジがもしも、戦略自衛隊の少年兵として軍事教練を受けていたら……という原作改変ss。もしも、シンジが○○だったら〜みたいなのは割とありますが、地盤が脆弱で作者さんが行き詰って完結しないということがよくあるように思います。が、この作品はプロローグ見て完結するだろうなと思いました。事実、特殊な設定ながら、完結しております。
 原作を追随するような形で物語が進む(各話を約2〜3節で構成)ので、過程が違っても結果が同じになることがあり、そこが原作に縛られ過ぎな感じがしましたかね。設定も展開も原作から離れてるのに、結末だけが原作に忠実で歪な感じ。ただ最終話はその鬱憤を晴らすかのように、怒涛の展開。最終話が一番書きたかったであろうことは確実だろうなぁ。そして、一番面白いのも、最終回という最高の形。最終回ということは、もう原作に追随する必要から解放されるわけですから、もう暴れたい放題で手がつけられません。(創作的な意味で)各話で張られてた伏線も同時多発テロでしっちゃかめっちゃかですが、終わり方は綺麗だった。正直、よく完結させられたなぁと思う。
 あぁそれと、皆幸せになって欲しい人は見ない方がいい。特にミサト、加持辺りは扱いが酷く、結末も酷い。SSは作者さんの好みが反映されやすいものだけど、この二人の扱いには作者さんが嫌悪してるとしか思えなかった。でも、ミサトはそんなに酷くもないか……いや、やっぱり酷い? うーん、あの終わり方は判断が難しい。ただ各話での扱いは間違いなく酷い。この作品を見てたら、ネルフってやっぱり学者上がりの平時で活躍する組織だよなぁと考えさせらましたが。

その他の二次

タイトル
百万ゴールドの男
作者
テパコ
在り処
ロト15代
長さ(推定)
長編(400字原稿用紙換算、合計100枚以上)
ジャンル
シリアス、ノンフィクション(?)
内容概要

勝手な感想
 有名RPGドラゴンクエスト3の二次創作。オルテガが勇者としての世界的な活動のために抱えた百万ゴールドの負債をその息子が払うという物語。でも、すごいのはこれがノンフィクションであるということ。えぇ、このssは1.金銭の使用禁止(きえさりそう、王者の剣は除外)2.売却可能なアイテムも使用禁止。即換金(装備品、すごろくけんは除外)という厳しい条件の元、プレイされた作者さんの実体験を元に創作されてるんです。

 そして、この作者さん、ホントに百万ゴールド集めたんだぜ…。嘘みたいだろ…?

 仲間が手に入れたアイテムも売りたくなる(商人に『とりたて』という呪いが掛けられてるせい)から気まずくなるだろうと思って一人旅を強行したり、当然のように死を受け入れてたり、毎回毎回、宿代を浮かすために自宅に帰る主人公とか、寂寥感があり過ぎて泣けてくる。ジパングまで行って、まだ『かわのこしまき』とかもうね…。(ノД`)

 5匹マタンゴが出た。天敵だが、マタンゴだけならそれほど怖くない。眠っている間にマタンゴ以外の魔物に攻撃されるのが恐ろしいのだ。それでも苦手意識はあるが、戦わないわけにもいかない。攻撃したら1匹だけ倒せたが、他の奴に眠らされた。
 目が覚めたら誰もいなかった。どうやら他の4匹は全員逃げたようだ。その場に宝箱が落ちていた。倒した1匹が持っていたらしい。開けてみたら、キメラのつばさが入っていた。
(お前、もう帰れよ…)
 勝手にそんなメッセージを感じて泣きそうになった。

 モンスターにまで同情される勇者とか…。(´;ω;`)
 実際のプレイを元にしておられるようですが、ただのプレイ日記になってないのは、ちゃんと勇者の心理描写があったりとか、オリジナルの展開があるからなんだろうなぁ。神竜と戦うシーンは何か切ねえ……。絶対に眠らされるアレを幼い頃の回想に使うとか色々上手い。過酷なプレイを実践できる精神力もそうだけど、多分、物書きとしての能力もあるからできた作品なのだと思う。ドラクエ3をやったことのある人は是非見てみるべきかと。

タイトル
暗黒!マリーのアトリエ
作者
D・W・W
在り処
D・W・Wの館 → 二次創作小説置場 → 暗黒!マリーのアトリエ
長さ(推定)
長編(400字原稿用紙換算、合計100枚以上)
ジャンル
ダークファンタジー、シリアス
内容概要

勝手な感想
 マリーのアトリエの二次創作なんですがね。自分、原作がどんな物かは大まかに知ってるつもりですが、実際にプレイしたことはないんですよね。しかし、そんな自分でも楽しめるSSでした。これは作者さんの姿勢による所が大きい。二次を読むに当たって省かれるであろう説明(キャラの生い立ち、世界観とか)も織り込んでくれますから。
 ただ、鵜呑みにするとマリーのアトリエというゲームを確実に勘違いすることは請け合いw 世界観とかは正しいと思うんですが、この方の作風(キャラのダークさや描写の残酷さが秀逸)がモロに影響されてますので。ドラクエをウィザードリィと間違えるぐらい灰汁(悪?)の強いものになってます。錬金術を行うシーンはどの回も秀逸。プロが書いてるのかと思う程、世界観に精通している。戦闘も対モンスター戦、対人戦、戦争と戦いまくりです。謀略とか普通にアリ。国家って凄く怖かったんですね。((((゚д゚)))) マリーって、こんな血生臭いゲームだったっけ?(==; まぁ、面白かったんですが、自由派の二次創作であることは間違いない。保守派? 何それ? ぐちゃぐちゃに叩き潰して、食い殺してやるよみたいなSSでした。

タイトル
ゼロな提督
作者
???
在り処
あの作品のキャラがルイズに召喚されました@ウィキ → 長編(完結) → ゼロな提督
長さ(推定)
長編(400字原稿用紙換算、合計100枚以上)
ジャンル
シリアス
内容概要

勝手な感想
 ゼロの使い魔(以下、ゼロ使)と銀河英雄伝説(以下、銀英伝)のクロスオーバーSSです。銀英伝のヤン・ウェンリーが使い魔として召喚され、紆余曲折を経る物語です。正直、「あの作品のキャラがルイズに召喚されました@ウィキ」は素人さんと玄人さんがいて、所謂、玉石混交な印象が払拭できないんですよね。しかも、作者の名前とかも見当たらないので、『作者読み』ができないってのもマイナス点。(自分が検索方法知らないだけかもしれませんが)しかしながら、この作品は間違いなく秀作、神作に該当すると思います。質、量ともに他を圧倒してるような気がしてならない。ベタ褒めです、えぇ、ベタ褒めですとも。だって、こんな異色の中の異色のクロスで! しかも、高レベルな作品が完結できると誰が予想できますか! ファンタジー要素が全開のゼロ使とSF科学が満載の銀英伝! この対極の合わせ技は、ゼロ使SS界のメドローアやでー!キタ━(゜∀゜)━ッ!!
 ……とここで終わってもいいんですが、これだと内容がさっぱりなので、続けます。文章力は中の上〜上の下ぐらいと推定しますが、両方の世界観に通じて、上手く設定改変されてるので、更に上方修正がされるかと。特にヤン・ウェンリーらしさがよく出てる。時々、「これヤンじゃなくね?」と思うこともありましたが、許容範囲内でした。後、ヤンが妻子持ちの癖に、とある方と懇意になります。そこが受け入れられるかが最大の障壁。元の世界に帰れないヤンの心情とか考えると、そんな気分になってもしゃーないって気もしますがね。しかも、暗殺事件後での召喚だし……。第二の人生を、というのも分かる気がする。三十路で一生貞操を守り続けろってのも酷だ……。(´・ω・`)
 ちょっと紹介の順序がおかしいですが、一番最初に続読を決めたのは、『ヤンが使い魔になることを頑なに拒否する点』ですね。単に"使い魔"という響きが嫌だからとか、そんな子供っぽい理由じゃなくて、ヤンが尊重する自由意思(民主主義の精神)に反するからという所が自分の心を鷲掴みにしました。それでこそ、ヤンだよ! ……まぁ、それだと話が進まないし、ルイズの立場もあるので、"ある点"で妥協するわけですが。(==; また特徴的が一つ。ヤンは智謀の人ですから、自身が戦闘する回数が非常に少ないです。(全話合わせて、五回も無いんじゃ?w) 本来の主人公サイトなら突っ込んで、戦闘フラグをおっ立てる場面をヤンは華麗に政治的に解決し、戦闘フラグをバッキバキにへし折ります。もう、ある種の爽快感すらあります(デルフが可哀そうになって来るw) またヤンのキャラクター性から、ゼロ使の政治的、軍事的な面が前面に出るのは仕方がないことですが、これも新鮮でした。かと言って、親子のようなヤンとルイズのやり取りを見てるとほのぼのしてくるし、ヤンのことを知らなくても分かる仕様になってるし、終盤の盛り上がりも良い感じだったし、何だこれ。完璧超人かよ……lllorzlll 本当に文句の付けようのない出来でした。超お勧め。

タイトル
ゼロの魔砲使い
作者
???
在り処
※未完  あの作品のキャラがルイズに召喚されました@ウィキ → 長編 → ゼロの魔砲使い
長さ(推定)
※未完 長編(400字原稿用紙換算、合計100枚以上)
ジャンル
シリアス
内容概要

勝手な感想
 「魔法少女リリカルなのはStrikerS」のEND後のなのはさん(20)が召喚されたゼロ使SS。まず、思ったことはこの作者さんは創作経験者、玄人だろうなぁ。色々と隙がないのでそう思います。ちょっと、なのは=魔王(笑)=俺TUEEE!ならぬ、魔王TUEEE!という風な最強系SSかと勘違いする方がいるかも知れませんが、読んでみると割とそんな印象はなかったり。むしろ、ピックアップされているのは、『リリカルなのは的な解釈で、ハルケギニアの魔法を見ている点』。例えば、デルフがデバイス扱いだったりとかね。あぁ、こう言うと今度は『ミッド式魔法>ハルケギニアの魔法』みたいに解釈する人が出るかもしれませんけど、そんなこともありません。……なのはに勝てそうなハルケギニアの魔法使いなんてそうそういないだろうけど。
 ただこの解釈の仕方が、やたらしっくり来る。何やら出来の良い論文でも見ているような気分です。が、物語としての魅力もあります。というか、あからさまに伏線過ぎる部分もあったりで、どこで『転』が発生するか非常に楽しみにしてます。

オリジナル

タイトル
Sword Art Online
作者
九里史生
在り処
Word Gear
長さ(推定)
長編(400字原稿用紙換算、合計100枚以上)
ジャンル
現代ファンタジー
内容概要

勝手な感想
 時は2012年。仮想現実を人間の脳に送り込む技術による、ネットワーク対応型RPGが発売される。それは数多のプレイヤー達が待ち望んだ夢のゲーム。しかしその世界は、ひとりの天才の狂気が生んだ脱出不可能のデスゲーム・ワールドだった……。(紹介文より抜粋)

 まぁ、乱暴且つ端的に言えば、バンダイが発売した.hackの亜流です。
 しかしながら、有名度では当然負けますが、内容ではこちらが勝ってるように見えます。マジで。あちらはゲームありきのシナリオに対し、こちらは文字媒体ですから深みに差が出るのは必然かもしれませんが、それでも作者さんの世界観の緻密さ、展開の演出には感嘆させられました。合計四部作まであるのですが、最終的に辿り着く場所がまるで違う。文章力は並の上と云った所ですが、長編で最も大切な『早く次が読みたい!』と思わせる牽引力とでも言うべきものがズバ抜けている。少なくとも、自分は時間の許す限り読み続けた記憶があります。最後には最新話まで追いついて、早く続きが出ないかとヤキモキさせられました。
 ジョジョと同じく、部が変わる度に劇的な変化がある。入る仮想世界そのものが変わるのでルールも変わるし、新キャラも出てくるので、いつも新鮮さがありました。(根底的な現実世界の設定は変わらないし、主人公も変わりませんが)
 第一部は鉄錆びた中世ファンタジー、第二部は華やかな妖精界ファンタジー、第三部は荒廃した西部劇風ガンアクションファンタジー、そして、最後の第四部は…何と言えばいいか分からない。仮想現実の一つには違いないけど、他三部とは一線を介す世界なんですよ。"新世界(ニューワールド)"とでも云った方がいいのかもしれない。ともかく、ラストに相応しい世界だった。仮想現実の作り方の上手さが際立つけれど、現実世界の方も疎かになってない所がまた良い。むしろ、現実世界のあれやこれやがあってこそ、仮想世界での物語が支えられている。
 2002年から書き始めて2008年に完結しました。インターバルとか挟んでるでしょうし、他のも書いてた時期もあるだろうから、厳密に言えばもっと短いかもしれませんが、6年間書き続けた作品は伊達じゃないです。是非とも読んで貰いたい。
プロ化に伴い、公開停止になりました。(TT 出版するまで待とう!  

タイトル
陰を住く人
作者
狂気太郎
在り処
狂気太郎 → 陰を住く人
長さ(推定)
長編(400字原稿用紙換算、合計100枚以上)
ジャンル
ダーク、シリアス
内容概要

勝手な感想
 まず、こう言うべきでしょう。気ガ狂ットル!へ(゜◇、゜)ノ いやぁ、ダークなのも好きな自分ですが、これは最狂クラスの狂気だなぁ。グロいシーンって淡々と書かれてる方が怖いんですよね。うん、これはそういう小説。雰囲気は市販小説でいう所、乙一氏の『GOTH』みたいな感じ。ただアッチは狂気を秘めた人間の物語だけど、こっちは人の形をした真性の化け物たちの物語ですがw 殺人衝動を持った高校生が恋をする物語でもありますが、そう書くと何か奈須きのこ氏の『空の 境界』みたいだ。雰囲気はGOTHだけど、内容はそっちに近い。ただ異能者だけを殺す両儀式と違って、この主人公は衝動が始まると、誰でも見境なく殺す所が最大の違いだなぁ。(´Д`;) でも、心は人間なんですよねぇ。となると、妖怪人間ベムみたいな感じになるんですが、主人公は多分、人間です。正確には、人間の突然変異みたいな? だから、早く人間になりたいなんてこともないと。殺人狂として快楽を覚える側面を受け入れるしかないながら、人を殺すのに罪悪感があるというか……。色々と複雑。邪気眼みたいな不幸で特殊な自分に酔ってる感じがせず、心が擦り切れて無感動、無関心になってる所がその種の『臭み』を感じさせずにグッド。
 でもまぁ、外見や心は人間でも、殺人衝動以外にあんだけ化け物染みた点を幾つも持ってたら、こうなるか。この主人公の最大の不幸は、"心まで化け物として生まれなかった点"なのは間違いない。心は肉体の付属品に過ぎないのか、心で人間の定義が決まるのか、そういうことをちょっと考えさせられましたかね。後、脇役で『天海東司』というキャラが出てきますが、彼が一番カッコいい気がする。いや、カッコいいというか、男前か。精神的なタフさは間違いなくNo.1ですね。人間様、舐めんなよ!って感じがいい感じ。もしも、彼が主人公だったら、この作品はダークものから少年ジャンプ的なものに変貌してたに違いない。

タイトル
DARK QUEEN
作者
D・W・W
在り処
D・W・Wの館 → オリジナル小説置場 → DARK QUEEN
長さ(推定)
長編(400字原稿用紙換算、合計100枚以上)
ジャンル
ダーク、ファンタジー、シリアス
内容概要

勝手な感想
 戦乱の地クランツ大陸に平和をもたらした神聖女王クラナ。後世にて史上最高の名君と湛えられる彼女の正体を知るものは少ない。実際に莫大な政治的成果を上げ、慈愛の君として知られた彼女。部下達を上手く使いこなし、実際に平和で平等な社会を築き上げた彼女。しかし……その真の姿は、人では無かったのである。彼女の心にあったのは、人類に対する侮蔑。そして、客観視点のみ。慈愛の政治を行い、成果を上げたのは、それが人間を良く知る彼女にとって都合が良かったからに過ぎないのだ。闇の獣クラナが産まれ、大陸を制圧するまでを描く、暗黒寄生ファンタジー。(サイトより抜粋)

 相変わらず、黒いぜ……。いい闇具合ですね。実に端的に言いますと、『ベルセルクのグリフィス』です。ただ人間性が最初からない所から始まるのが相違点。ただ物足りない点があるとすれば、ライバルらしいライバルの登場もなく、順調過ぎる点でしょうかね。それらしいキャラは出てくるんですが、割と苦戦もせずに下しちゃったのがなぁ……。後、幼馴染が不憫だったなぁ。このキャラと主人公のすれ違いとか見てると、恋愛感情ってやっぱり錯覚だよなって思ってしまうから困る。
 総合してみると、主人公最強系な小説なんですが、その過程が丁寧に描かれてるから、そんなに拒絶感は出ないかと。言ってみれば、ドラゴンボールだって主人公最強系ですしね。娯楽は面白ければ勝ちって真理だ。

タイトル
ヴァルチャー
作者
ポンチ
在り処
Arcadia → オリジナルSS → ヴァルチャー
長さ(推定)
長編(400字原稿用紙換算、合計100枚以上)
ジャンル
ダークファンタジー、シリアス、ほのぼの
内容概要

勝手な感想
 MMORPG系(別名.hack系)の小説です。端的にあらすじを紹介します。『主人公、ネトゲで悪魔プレイ→魔物化(微妙な性能の上級職)→プレイ中にサイバーテロ→脳が焼かれて死亡→目が覚めたら、ネトゲの中でした→ってか、うはww俺、魔物のままなんだけどww\(^o^)/』。と、割と軽めの文章で書きましたけど、作中の本文は割とシリアスな感じで書いてますからご安心をば。善悪の判断がつかない程、子供ではありませんが、同時に善を行う程、真っ当な人間じゃない所がいいですね。『ダルいけど、お前好きだから助けることにするよ』という主人公のやや傾いた人格バランスが好きでした。あぁ、そうか、銀玉の銀さんに似てるんだ。ギャグコメができない銀さん。そんな感じ。

タイトル
自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり
作者
とどく=たくさん
在り処
Arcadia → オリジナルSS → 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり
長さ(推定)
※未完 長編(400字原稿用紙換算、合計100枚以上)
ジャンル
現代ファンタジー
内容概要

勝手な感想
 ある日、東京に異界の門が発生しました。

 (異界軍)「植民地があると聞いて異界から来ますた」
 (日本)「だが、断る。むしろ、お前らが死ね」
 (異界軍)「ちょ、マジ強ぇw 逆にこっち来たし。(((゚д゚)))」
 (日本)「殺した市民の賠償金ぐらい払えやゴラァ!」
 (諸外国)「ファンタジー世界と聞いて、国会から来ますた」
 (朝鮮とか)「日本だけズルいニダ。分け前寄こすニダ<丶`∀´>」
 (日本)「こいつら、天然資源とか狙っててウザス…(´・ω・`)」

 端的に説明するとこういう話。2chチックなのは主人公がオタク趣味の自衛隊員だから……かな。個人がファンタジー世界に行くのは数あれど、ファンジー世界と現実世界が繋がるってのは、ちょっとない。おかげで、利権だ何だ絡んで、面白いことになってます。個人個人の描写もさることながら、政治情勢とかも描かれてるのが面白味なんだろうなぁ。時折、作者さんの政治とか思想(毒舌気味?)がモロに出てる文章とかがありますが、そこを受け入れられるかどうかぐらいしか欠点がない気がしますね。自分はまぁ、普通でした。銀河英雄伝説の田中芳樹の毒が大丈夫なら余裕でスルーできます。(というか、自分は毒だとも思わなかった)自分がArcadiaに行く楽しみの9割を占めている作品です。定期的に更新されており、ぶっちゃけ、他の作品なんてその合間を埋めるために見てるだけです。

タイトル
バンブルビィ飛行
作者
槙弘樹(旧:広木真紀)
在り処
once in a BLUEMOON → バンブルビィ飛行
長さ(推定)
長編(400字原稿用紙換算、合計100枚以上)
ジャンル
ミステリー、現代ファンタジー
内容概要

勝手な感想
 はいはい、マキさんマキさん。もうあれだ。信者だコレ。このお勧めページは、マキさんの布教のためにあるんですね、分かります。(^ワ^) でも、実際、この人の書く物語より、面白い物を書くネット作家が殆んどいないから仕方がない。相変わらずのクオリティです。このまま、商業に出せるぐらいのな! 当人は満足しされてないのか、Retakeという改訂版も執筆しているようです。自分のような凡人なら満足して放置状態にするような出来栄えにも関わらず、まだクオリティを上げようとしている所を妥協しないのがこの方らしい。Retake版の完成を待つも、ヒャアッ!我慢できねぇ!一括DLだ!(゜∀゜)フゥハハー!するも読む方の自由です。はい、このままじゃ作品紹介になってないので、内容紹介に入ります。
 主人公、時田弘二は人と異なる能力を持っていた。――『共感覚』(synesthesia)。彼の視界に入る物の印象・本質を色によって把握する能力。しかし、幼い頃から存在するそれは、時田に何ら特別な人生を用意したわけではなかった。ある日、時田はいつものように自分をアルバイトとして雇ってくれている警備会社へ赴くと、そこでひとつ奇妙な話を聞く。曰く、呪いらしきもので人が死んでいると云う。そんな馬鹿な話があるものかと思いつつも、気になった。白丘第一高校、そこは時田が現在不登校中である学校だった。
 読み手として楽しみ、書き手として二度見して、溜め息が出た。あぁ、あの話はそのためにしたのね、ってのが納得できてしまう。そつがない。無駄がない。ふぅ……実力差があり過ぎると、嫉妬も起こらねぇぜ。

タイトル
破っ
作者
ゆーぢ
在り処
ライトノベル作法研究所 → 高得点 → 破っ
長さ(推定)
掌編、400字原稿用紙9枚
ジャンル
ほのぼの
内容概要

勝手な感想
 かめはめ破や波動拳といったロマン技に心を動かされなかった男はいないでしょう。でも、実際にはできないから諦める。それが大人になるということです。(´・ω・`) ですが、もしも、マジでいつかできると思って努力している男がいたらどうでしょう? この『破っ』の主人公はそういう夢を持った青年です。しかも、良いやつなんだなぁ、こいつが。掌編なので、少しの時間で見終われるのも魅力。

タイトル
緒方夫婦
作者
ロシア猫
在り処
alcohol → 緒方夫婦
長さ(推定)
長編(400字原稿用紙換算、合計100枚以上)
ジャンル
ほのぼの、ラブコメ
内容概要

勝手な感想
 特に特徴のないお見合い結婚した地味な夫婦が、色々とくだらないことに躓きながらも愛を深める話です。一応話は区切ってありますが、上から全部繋がっているので、順にお読みいただくことをお勧めします。(サイトより抜粋) 

 正直、自分でもよく分からないぐらい面白かったw 話自体は凄くフツーでありふれた話なんですが、書き方が上手い……ってわけでもないんですよね。視点コロコロ変わるし。(そのうちそれが味のように思えますが)何か凄く平和な気分になれる小説でした。(´▽`) 誤解が解かれぬままに話が進行することが多いんですが、それが面白さの秘訣というか、「いやいやいやwwアンタら平和だなオイww」とついニヤけながら、見てしまうんですな。

 ああ、あれは、我ながら大失敗だったなあ…と、ひろゆきはしみじみとあの夜に思いをはせた。あの時のプレイにタイトルをつけるなら「気持ちよくないソフトSM」であろうか。本当にどうしようもない。本調子の時だって結構ろくでもないのに。3億出される精子の中で一番優秀な物が卵子にたどり着く、というが、あの時出た精子は全部出来そこないな気がしてならない、よくもまあたどり着けたなあ、とひろゆきは生命の神秘に感嘆した。
 しかし、何だかすごく可哀想な子が生まれそうにならない。いつか子供が大きくなって、お前は父さんの性生活至上、最悪の夜に出来た子だ、などと言われたら、世の中の全てを恨み、世界を滅ぼす事を決意してしまうのだ、しかしそれは出来ない、何故ならその子は出来そこないの精子で出来ているから…!
 そこまで考えてひろゆきは目頭が熱くなった。
 まあそんな事を子供に語る気はサラサラないのだが、自らの名誉のために。


 この文で『夫馬鹿スww』とか思った人は見に行くと良いかと。真なるギャグセンスとはこういうのを指すのだろうなぁ。ちょっと下ネタ気味です(おっぱいとか去勢といった単語が呼吸するように自然に出てくる)から、変態紳士御用達って感じがしないでもないですがw 何となく、途中から吹いたら負けだと思って読みましたが、一話で何回負けたか分かりませんでしたww 妻、みさ子がどっかで見たことあるなぁと思ったら、クラナドの風子に似てるんだ。いや、丁寧な口調とかは公子さんだけど……二人の母親がいたらこんなのに違いないw

「そして私はPさんに、これ以上無体をするなら、舌を噛みきって死にまするよ!と言いました」
みさ子の貞操より、本当にそういう口調で言ったかどうかの方がひろゆきは気になった。
「私は常々母から、手篭めにされるくらいなら食いちぎるか自決しなさい、と言われておりましたから」
どこを食いちぎるのだろう、そう考えたらひろゆきはあらぬ所が痛くなった。

 アカンwwやっぱアホスww この人のギャグセンスの半分も自分にあればなぁ。(´Д`;)ハァ

タイトル
アヒル文学賞
作者
松筆
在り処
モノ書き一里塚
長さ(推定)
掌編、400字原稿用紙14枚
ジャンル
ギャグ・コメディー
内容概要

勝手な感想
 物を書いたことのある人なら、誰だって一度は何所かの出版社に投稿したいと考えたことがあるはず。少なくとも自分はそうでした。尤も、考えただけで実行には至りませんでしたが。
 この作品は、ライトノベルの新人賞応募を呼びかけた出版社を舞台とした物語です。何所の出版社とは言いません。まぁ、電○文庫とか富士○ファンタジア文庫とかその辺りの子会社でしょう。松筆さんは、全くの素人さんに向けて、小説の書き方をレクチャーされているのですが、その経験が見事に生かされてます。
 日本人の識字率は非常に高いのは良いことですが、文字があまりに近しいせいか、"小説ぐらいすぐ書ける"と思いがちなもんです。実際、学べば、見れる作品はそれほど苦労せずに書けますが、学ばずに書くとエライことになる、ということを作品を通して風刺しています。自分も笑って見てましたが、同じ過ちを犯していたかもしれないと思うと笑えませんね。テンポも非常に良く、馬鹿っぽい。ポテチを摘むような感覚で読むとよろしいかと。  

タイトル
関西人狩り
作者
松筆
在り処
モノ書き一里塚
長さ(推定)
掌編、400字原稿用紙9枚
ジャンル
シリアス、ギャグ・コメディー
内容概要

勝手な感想
 馬鹿なことを馬鹿なまま書くのは割と簡単なのですが、馬鹿なことをシリアスに書くことは非常に難しい。「な、何だってー!」のAAなどで有名なMMR(マガジンミステリー調査班)というものがありますが、あれがいい例でしょうか。(本人はシリアスで書いたつもりが、ギャグになってるのもありますが、MMRもその類なんでしょうか)
 この作品では、"笑い死に"という本当に笑ったら死ぬ人間が出るようになり、その後、日本政府がそれに対して、どう対処していったかを淡々と述べていきますが、それが面白い。作中では関西人によって、次々と"笑死"の犠牲者が出てるわけですが、紹介している自分も関西人なので、他人事とは思えなかったり……。

 >関西人の名誉のために書くが、ほとんどの関西人に悪気はなかった。ただ、関西人の育った環境、関西弁の言語的性質から、どうしても会話に笑いを入れてしまうのである。サガと言ってもいい。

 作中の一文ですが、ああ、その通りだなぁ、と。オチも秀逸でした。シリアスギャグコメティーとしてはこれを上回るのはそうはないかと。  

タイトル
三角形勝負の決着
作者
松筆
在り処
モノ書き一里塚
長さ(推定)
掌編、400字原稿用紙13枚
ジャンル
シリアス、青春
内容概要

勝手な感想
 これは心底上手いと思った。長編で男女の青春を描くのはそんなに簡単ではないが、時間と手間をかければ、できなくもない。が、原稿用紙13枚でこれだけのことができるのは流石にセンスがいると思う。
 ある日、教科書を見ていて、昔マンションの屋上で一人の女の子とどちらがより大きな三角形を作れるか勝負したことを回想するだけなんですが、これが上手い。オチで「上手い!」と思った直後、「そういう意味もあるのか……」と二回引っ掛かりました。最後の部分が何とも言えず切なく、同じ男として共感せずにはいられなかった。(´・ω・`) 掌編なので、語ると意図せずネタバレしそうになるので短く締めます。いつかこんな素晴らしいオチが書ける物書きになりたいもんです。  

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